横石知二さん＠燃える人

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熱き後継者たち
横石知二さん＠燃える人

投稿日時：2009/09/20(日) 06:00

地域産業おこしに燃える人の二番目に聞いた講演は、横石知二さんでした。

横石さんと言えば、ご存じの方もたくさんいらっしゃると思います｡

徳島県農業大学校を卒業後、徳島の上勝町農業協同組合へ営農指導員として入社します。

お父様は県庁にいらっしゃったとのことで、いずれは県庁に戻ることも視野にあったとか。

いずれにしても期待に胸膨らませて上勝町に向かった横石さんを待ち受けていたのは･･･

徳島県の中央部に位置する上勝町は当時人口２９００人ほど、総面積の86％が山林で

高齢化比率も高い典型的な山村でした。

横石さんが赴任されたころは、そんな閉鎖的な環境と根性が染み付いた方々ばかりで

町全体が沈みきっていたと言います｡

まずは、この意識を変えなくては振興は、ままならない。

横石さんは、自ら変わることを進言。しかしこのことは、町民自らが自己否定することに

なることと同じこと。

よそ者の横石さんに対する反発は大変なものだったようです。

中には机を蹴飛ばし『よそ者は、出てけ＝』と罵声を浴びせられる人まで･･･

それでも横石さんは、諦めず様々な改革や提案を繰り返していきます｡

そんなある時、友人と外食していた際に、隣の女性が出された皿にのっていたもみじに

『素敵～』と言いながら最後は大事そうにハンカチに挟んで持ち帰る姿を見て

これだ＝！

と思ったそうです｡

早速、町に戻り『葉っぱを売りましょう！』と声を高らかに提案すると･･･

『横石さん、いくらなんでもそんな恥ずかしいことで出来ないですよ』と

葉っぱなんてそこら中にあるもの。それまでも売って行かなくては生活が成り立たないと

思われること自体恥ずかしいという気持ちだったようです。

でも諦めきれない横石さんは、リサーチを始めます｡

調べてみると料亭などの料理で皿にそえられる葉などのことを妻物（つまもの）と言って

欠かせないアイテムということが分かったのです｡

早速、有名な料亭に連絡。妻物について教えてもらおうとしましたが･･･

今はともかく当時の料亭は、一般の世界と違った独特の厳しい世界。通えど通えど

全く相手にしてくれせん。

ついにはお店とトラブルになりケガをして帰宅する始末｡

見かねた奥さんが『そんなにやりたいなら家にお金入れなくてもいいからやってみ＝』と言ったそうです｡

後は、客として通うしかないと思っていた横石さん。経費として計上出来るわけもなく

行き詰まっていた時。『涙が止まらなかった』とおっしゃっていました。

早速、給料をつぎ込んでの料亭通いが始まります｡

北は北海道から南は九州まで通風になるまで通ったとか。

そして葉っぱビジネスを始めるのです｡

受注に対して町の防災無線を使った一斉FAX送信など、独自のアイデアで

町のお年寄りを巻き込んでいきます。

コンピューターもお年寄りの使い勝手がよいように工夫してシステム化。

その結果、町の人々が自分たちの町に誇りを取り戻していき、お年寄りがキラキラした笑顔で

活躍する場が上勝町に生まれたのです｡

横石さんは言います｡『すらしい価値を伝えるのは素材３割、活力７割』

『伝え方が本当に大事！』

『経営がどうのこうのは特別ありません。とにかく変化が好きで、それに対応することが好き』

とおっしゃられる横石さん。

『５年後、１０年後なんて分かるか=！』という言葉にもとても共感してしまいました｡

ちょっとした一言を付け加える。それぞれがもう少しだけ何かをする。

それが大事だと言うことをつくづく感じました｡

横石さん。有り難うございました｡ _(_^_)_

◎株式会社いろどり
徳島県勝浦郡上勝町大字福原字平間71-5
http://www.irodori.co.jp/

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